エルファニングの魅惑とマイクミルズ監督作『20センチュリーウーマン』
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今日は入学式。
僕の時まではビラシャワーと言って入学式のある田辺のキャンパスに行くと校門から会場となるところまでの道のりの両脇にロープが張られていてその両脇から大勢の馬鹿どもが各サークルの新歓ビラを新入生に押し付けて行くイベントがあったのですが、残されるゴミの問題で去年からなくなりました。あゝ、ビラシャワー無くなったの悲しいなあ、なんて会話ももう一年前になるんですね。
僕はビラシャワーではF.B.I.からチラシをもらいませんでしたが、結局3回生になってもここで漫然としていますから、皆さんも問題なくF.B.I.に辿り着かれますように。
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洋画が日本で公開される時、国内の配給会社により題名やポスター、予告編などが改変される。日本語で説明的なキャッチコピーが入り、シンプルな写真のポスターがいくつもレイヤーの重なったうるさいゴミと化し、予告編には大量の文字情報。そして、批判の対象となる。「あー、またどこどこが作品の世界観をぶち壊してるう」
例えば、マシューマコノヒー、ジャレットレト両者絶好調の『ダラスバイヤーズクラブ』で知られる監督ジャン=マルク・ヴァレの新作"Demolition"(demolition:取り壊し)は『雨の日は会えない、晴れた日は君を思う』となる。
『雨の日は会えない、晴れた日は君を思う』
ところがね。最近、映画館でびっくりしたんよ。日本で作られた予告編が本国で作られた予告編を超えてめちゃくちゃ良い。
それが『20センチュリーウーマン』
30秒で伝わるそのキレはとんでもないんですよね。
これが参照している本国ver.は2分あります。
とにかくこのエルファニングの紹介が素晴らしい。
本国ver.
正直、日本版見た後だと、本国ver.がザコい。
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エル・ファニングに添い寝されながら「セックスすれば友情は終わるわ。今のままの関係がいいの」と言われる少年の味わう地獄に最も共感してしまった「20センチュリー・ウーマン」…
— 宇野維正 (@uno_kore) 2017年3月28日
関係者向けの試写会が先日あったようで、このツイートで僕はこれは傑作と判断した。
マイク・ミルズが本作の監督。ちょいと説明する。
『サムサッカー』と『人生はビギナーズ』しか観たことはないですが、デザイナー出身の彼の作品は独自の美学で映像が支配されていることが印象的。
多用されるスローモーションなどを取り上げていけば、『天才マックスの世界』(1999)で知られるウェスアンダーソンのフォロワーとも言える。物語も思春期だったりなよっとしているところで家族に立ち返ってよくわかんない解決を得るというウェス的ストーリーテリングが展開されてる。
後、即物的なインサートも多用される。
(20センチュリーウーマンより)
「一般的な白人家庭」に生まれた自身の体験を寓話的に物語ってゆくのが毎回のようで。
『人生はビギナーズ』が同性愛者であった自身の父親について語っていたのに対し、『20センチュリーウーマン』は母親についての映画とされている。
でも、結局を言えば、『サムサッカー』にしても『人生はビギナーズ』も主人公は息子、『20センチュリーウーマン』もそんな感じのようで、家族の中での自分自身について語り続いているおじさん。
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つまり、『20センチュリーウーマン』がめっちゃ楽しみなんすよ、て話がしたいんだが、一切その熱が伝わっている気がしない。ので、最後、いかに出演しているエルファニングが素敵かをご覧いただいて終了する。
ちなみに公開は6月3日まだまだ先で申し訳ない。
やるな、おじさん
文責 せんだ