チラシの裏

このブログは同志社大学自主制作映画サークルF.B.I.の提供でお送りいたします。

映画『GO』はなぜ君も僕も好きなのか

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今回のブログはF.B.Iの現一回生2人が書いているわけだが、2人の映画の趣向は真逆と言っても過言ではない。俺はリアリティの高い映画が好きで、日本映画で銃をぶっ放されると少し気になってしまうほどである。一方僕は、日本映画で主人公が銃を向けられると「あらあら、体術の一つでも使えないと・・・」と気になってしまうファンタジスタである。そんな2人が共通して好きな邦画は数少ない。

そのうち一つが『GO』なのだ!

『GO』は2001年に公開された青春映画で、「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」で知られる宮藤官九郎の初映画脚本、「パレード」や「セカチュー」で知られる行定勲、キャストは若手だった窪塚洋介柴咲コウ、ロト6で知られる新井浩文を大抜擢、山崎努大竹しのぶで脇を固めるという豪華っぷりである。まずは僕がの魅力を紹介していきたい。

 

ありえないを超えるリアリティのかっこよさ

主人公は在日朝鮮人、杉原なのだが、このありそうでなさそうな主人公像が魅力的だ。杉原はこの世の全方向にたいしてエネルギッシュである。喧嘩はするわ、文学は好きだ、悪さわするわで「なんでもできるわけじゃないがなんでもする」そいう男だ。こんな普通じゃない男が恋をすると、やはりまともじゃない。誰でも一度は学生だった時代があっただろう。僕は僕の学生時代にはこんな映画みたいな話はなかったが、学生時代身近にあったどんな恋よりも多義的な恋を知れるだろう。f:id:fbimovies:20170312023213p:plain

 

走ることについて

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この映画は杉原がとにかく走る、走る、走る。映画をみた人なら杉原が走るシーンを一度は憧れたことがあるだろう。僕が一番好きな「走る」は「スーパーグレートチキンレース」だ。ヤンキーの度胸試しの一つで普通は入らないある場所に入り、そこであるものに追いかけられるのだが、まぁ本編を見てほしい。そのあるものはとても巨大でまるでの現実の権化だ。それから逃げ切る時、無慈悲な現実を乗り越えて不可能可能にする瞬間だ。

 

さて俺がなぜ好きなのかを分析していこう。

圧倒的テンポの良さf:id:fbimovies:20170312023153p:plain

現実的な話になればなるほど退屈になるのは当然である。身の回りにありそうなことを見ているだけでは何も面白くない。しかし、ありそうなことだからこそ映画で体験し現実世界に生かしていく、これが映画の一つの役割だと思う。この映画は退屈さをテンポで乗り越えた。ジャンプカット、コント風の演出を盛り込み物語が目まぐるしく進んでいく。

憧れの青春そのもの           f:id:fbimovies:20170312023158p:plain

出てくるキャラの濃い人々が誰もが夢見たであろう高校生活を送っている。悪いことをして警察に追いかけられる、イチャイチャのデート、夜の小学校に忍び込む、屋上での〇〇〇、教室での喧嘩などなど数え挙げたらキリがない。このサークルでも真似をした人は数知れず...

 

以上のように、それぞれ好きなところはあれど

リアルであり、憧れである

このバランスが奇跡的に我々の共通点となりえたのであろう。これは2人だけに通用するものではない、『GO』は誰もが楽しめる映画であるということだ。