京都でぼくも考えた。
マンホールってあるじゃないですか。地面にある。あれ、なんで円形か知ってます?三角とかだと、上手くすると蓋が穴に落っこちちゃうんですよ。でもみんな同じ形の丸だったら落ちることはない。よね。そんな豆知識本にありがちなトリビアをさらっと披露することが僕の目的ではないんです。今回僕が書き連ねるのは、とある地方都市で育った小学生の話。
彼は丸いマンホールを踏まない。なぜか。丸いマンホールを踏むと、ポイントが1つ減ってしまうのだ。逆に、四角いやつを踏むと1ポイント。同じクラスの堀君が言っていたんだから間違いない。しかし、ポイントって一体なに?そんな当然の疑問が彼の頭に浮かぶことはない。だって別段、それが大事ってわけじゃないんだから。人生のルールを定めることになんとなく憧れを持っていた彼は、小学生人生六年間をそのルールに則って楽しく暮らし尽くした。その頃の刷り込みのせいで、僕は今でも丸いマンホールを踏むことに抵抗がある。
で。
あのポイントってなんだったんだろう。あれから十年近く経って少しは成長した頭で考えてみますと、名づけるなら人生ポイントとでも呼ぶもんなんだろうな、と思います。ってまだ漠然としている。自分で書いていても意味がわかりまっせんぐ。うーん。なんというか、そのポイントを貯めていくと、人間としてだんだん評価されていく、みたいな。そんな希望があったのは確かなようなそんなような。
今、尊敬されている人、金メダル獲る係のアスリートとか、北の隣人をぶっ潰せとか言うコメンテーターとか、よくわからん歌を唄うよくわからんミュージシャンとか、あとそんな特技もないのに何故か尊敬されてる人とか。彼らが尊敬されてるのはきっと人生ポイントのおかげなんだ、って思ってました。だから、自分も四角いマンホールを踏み続けていれば、いつかみんなに尊敬されるような人間になれる。そう信じて、自転車で蛇行運転気味にマンホールを踏んでました。小学生のくせに生意気な承認欲求でしたすいません。
でも、現実はもちろん違います。彼らが尊敬されるのは日々の努力だとか、気合いだとかそういうもののおかげで、別に丸いマンホールを踏んでこなかったからじゃない。
というわけで、僕はいつしかマンホールを気にしなくなりやした。あれはただの模様だと思うようになりやした。ときたま丸いマンホールを踏んで気分が悪くなるのも、ただの条件反射で深い意味はなんてなくなりやした。でもでもでも、マンホールを気にしなくなったはずの僕は、まだ人生ポイントを忘れられないでいる。あれが貯まれば尊敬されるような、出来た人間になれると心のどこかでまだ信じている。いつか1万ポイント貯まれば、学園ラブコメの世界と引換・交換できると心のどこかで思っている。
だから、僕は通帳とにらめっこしながら、日々を生きています。でも、マンホールを踏むこと以外にポイントの貯め方を知らなかった僕にはもうそれを稼ぐことはできないです。どうしよう。残高は、何もしないでいると勝手に減っていくです。しばらく放っておけば、すぐにゼロになってそんで今度はマイナスになるです。人生ゲームと違ってゼロになったら破産するわけでもないし、自動的に死ぬなんてこともないです。あらら残念でしたー。
じゃあ、ほんならどうすればいいの。
そいつは簡単、このサークルに入ればいいんです。見てますか新一回生、新二回生、新三回生、新四回生、以下新~回生様方。別にこのサークルに入れとも言わないけど、でも何もしないよりは、何かした方がいいのには決まってんだから。そんでこんなとこまで読んじゃうって人は、たぶんこのサークルに入ったら卒業までいちゃうって人なんだから。
じゃあ、来て見て触って飲んで食って吐いて撮ってみたらいいじゃないですか。
我々FBIは年に一度の花見、そして四度の上映会、さらに飲み会、お花畑、メンヘラ、イケメン、ブサイク、海苔妖怪、路傍の石、リカちゃん人形、ユアン・マクレガー、TMRの西川、これら全てを取り揃えております。まさに珍獣百貨店。天まで届く高層ビル。こんなサークルなかなかないよお客さん。
だから、一度はこのサークルをのぞいてみることをおすすめします。少なくともみなさんの人生に消えない爪痕を残す圧倒的ドルビーサラウンドポロリティカル淫夢体験をお届けすることはできるんじゃないかと僭越ながら思う所存でございます。は?人生ポイント?なんじゃそれ。んな下らないこと言ってる暇があったら勉強しろ!ボケ!
お送りしたのは、といしでした。ぐっばい、しーゆーあげいん。